網膜の中で、あるいは
In our Retina, or else

2021
Video/ 9:55
The 15th Gunma Biennale for Young Artists


 私たちは「見る」とき、何を見ているのだろうか。情報だろうか、現象だろうか、それとも、自分の感覚の現れなのだろうか。本作は、カメラの「眼」を通して、光や液体の動きなどの自然現象が重なり合っていく様子を捉えた映像作品である。2020年に実施した自主企画≪「映り」としての圧縮≫で発表した自作のインスタレーション作品の構造の中で、副次的に得られた実験的な映像を、新しく映像作品として編成した。私たちは数多の現象の過ぎ去る中にいる。ガラス瓶の表面をなぞる反射、熱によって動く液体、干渉する光、それぞれ別々の現象が、知覚によって束ねられていく。網膜の中で、あるいは意識の中で、組み合わさり、関わり合い続ける。